マッチングサービスとは、個人や企業などの二者間を繋ぐことを目的としたサービスです。
例えば、時価総額が2020年6月5日時点で5,000億を超えている株式会社メルカリが運営するフリマアプリの「メルカリ」は、個人と個人が売り買いを行うマッチングサービスです。
新型コロナウイルス感染症の影響で以前ほどの勢いはありませんが、個人や企業が貸し出す部屋と宿泊したい人をマッチングするAirbnbや、車を所有している人と車で送迎をして欲しい人をマッチングするUberやLyft、Grabもマッチングサービスです。
また、企業間の購買マッチングを行うための株式会社インフォマートが提供するBtoBプラットフォーム 商談など、企業間マッチングサービス(BtoB)もあります。
最近では、フリーランスと企業をマッチングするBtoCでの案件紹介サービスなども増えています。
これらは、ソーシャルエコノミーやシェアリングエコノミー、シェアリングサービスなどとも呼ばれますが、人や場所、物、時間といった資源(リソース)を細分化してマッチングをする事で、今まで提供できなかった価格やサービスを実現しています。
マッチングサイトの2パターン
このように、マッチングサービスはCtoC、BtoB、BtoCの3パターンで行われますが、さらにマッチングの仕方により「プラットフォーム型」と「エージェント型」の2パターンがあります。
プラットフォーム型
プラットフォーム型とは、利用者と利用者が直接やり取りをする場所を提供するものして、そこでユーザー同士でマッチングを行うサービスです。
プラットフォーム型で個人とのユーザーと個人のユーザーをマッチングさせる「CtoC型」としては、先ほど挙げたメルカリやAirbnb、Uber、Lyft、Grabなどがあたります。
企業ユーザーと企業ユーザーをマッチングさせる「BtoB型」については、さきほどのBtoBプラットフォーム 商談やランサーズやクラウドワークスがありますが、ランサーズやクラウドワークスはどちらかというと「BtoC型」の方が多いかもしれません。
企業ユーザーと個人をマッチングさせる「BtoC型」は昔から数多くあり、リクルートのホットペッパービューティーやマイナビ、価格.comなど多くの情報ポータル系はこの形です。
さらにこの派生系として、利用者が自ら企業を探すのではなく、利用者が依頼をしたら企業側から利用者に見積りなどを一括で送る弁護士ドットコムや比較bizようなモデルもあります。
このプラットフォーム型のマッチングサイトを構築するにあたって、運営側のメリットとデメリットとしては以下のものがあります。
運営側のメリット
- Webサイト管理者はプラットフォーム提供だけに専念ができる。
- 利用者同士でのマッチングが成立したところから手数料をいただくビジネスモデルなので、取引量が増えるとそれに伴って売上も自動的に増える。
運営側のデメリット
- サービスは類似サービスが多く差別化が難しい。
- 利用者がいないとサービス自体が成り立たず、利用者が少ないと利用者も余計に増えないため、スタート時点での利用者数確保や利用者数を増やす仕組みが必要となる。
- 取引はWeb上で全てを完結するため、UI/UXやマッチングさせるための機能は高度な利便性が求められ、開発工数や開発期間が膨らみやすい。
- コンテンツにあたるマッチング自体はクローズドなため、SEO的に弱く集客に課題がある。
このように、プラットフォーム型のマッチングサイトは、スタート時点から数多くの機能が必要となる上、ユーザーが集まらないと売上も上がらないので、始めるのにはハードルが高くなっていますが、ビジネスが回り始めると等比級数的に利益率が向上するビジネスモデルでもあります。
エージェント型
エージェント型とは、マッチングサイトの運営者がエージェントとして利用者同士を仲介してマッチングを行います。
このエージェント型を取っている会社は人材系に多く、「BtoC型」でプロジェクトマッチングを行うマイナビエージェントやレバテックフリーランスなどはすべてこのエージェント型にあたります。
エージェント型のマッチングサイトを構築するにあたって、運営側のメリットとデメリットとしては以下のものがあります。
運営側のメリット
- 必要とされる最低限の機能としては、双方の利用者が申込みが出来るフォームがあればサービスをスタートできる。
- 機能が少ないため、開発コストも開発期間も短くて済む。
- 利用者数が外部や利用者からは見えないので、実際のユーザー数が少なくてもスタートできる。
運営側のデメリット
- マッチングをシステムで行わない場合、マッチングを行うのに人件費がかかり、案件が増えていくと人件費もその分増加する。
- マッチングをシステムで行う場合には、マッチング精度を上げようとすると仕組みが複雑になり、マッチング率を高くするのが難しく、開発工数もかさむ。
- マッチング数が増えても人手のマッチングの場合には利益率が上がらないため、取扱い商品が高単価商品やサービスに偏ってしまう。
このようにエージェント型は、スモールスタートでのサービススタートができるのがメリットですが、売上が増えても人が運用し続け場合には利益率があまり上がらない労働集約的なビジネスモデルでもあります。
エージェント型マッチングサイトの構築
今回ご紹介をするWordPressで構築するマッチングサイトは、エージェント型になります。
ただし、問合せを用意するだけのものではなく、プロジェクトやサービスなどを出品する側の個人ユーザーや企業ユーザーがプロジェクトを掲載し、入札を行う個人ユーザーや企業ユーザーがそちらに応募する形でマッチングさせる仕組みで、マッチングの連絡は事務局が行うサービスを想定をしています。
そのため、機能としては以下のものを想定します。
管理者機能
- プロジェクト発注企業ユーザー管理機能(承認、変更、削除機能)
- 受注側企業ユーザー管理機能(承認、変更、削除機能)
- 受注側個人ユーザー管理機能(承認、変更、削除機能)
- ユーザー権限管理機能
- プロジェクト管理機能(投稿、編集、削除機能)
- プロジェクト応募管理機能
- 問合せ管理機能
プロジェクト発注企業側機能
- プロジェクト掲載機能
- ユーザー管理機能(編集機能)
受注側企業機能
- ユーザー管理機能
- 個気に入ったプロジェクトやサービス、商品などをブックマークできる機能
- プロジェクト応募機能
個人ユーザー側機能
- ユーザー管理機能
- 個気に入ったプロジェクトやサービス、商品などをブックマークできる機能
- プロジェクト応募機能
今回は、企業が人材を募集するプロジェクトとスキルを持った人材、人材を抱える企業やスキルを持った個人とのマッチングを例に説明をします。